【要注意】処遇改善加算のグレーアウト問題|R7補助金申請事業所の盲点

※結論:R7補助金を申請していても、職場環境等要件の対応が不要になるわけではありません。

「職場環境等要件、うちでは14項目(8項目)も対応できない」

令和8年度の処遇改善加算や「処遇改善緊急支援事業費補助金」について、こうした相談が増えています。

しかし実際にはこの問題の原因は、令和7年度の補助金申請時点にあるケースが少なくありません。

今回は、実務上見落としやすい「グレーアウト問題」について整理します。

R7年度補助金と処遇改善計画書の仕組み

令和7年度には、緊急的な支援として「人材確保・職場環境改善補助金」が実施されました。

この補助金は、処遇改善計画書と一体で提出する仕組みとなっており、多くの事業所が申請されたと思います。

ここで一つ注意点があります。

補助金の申請にチェックを入れると、処遇改善計画書の総括表にある「職場環境等要件」のチェック欄が入力できない状態になります(いわゆる「グレーアウト」)。

そのため、

  • どの項目があるのか見えない
  • 何項目満たす必要があるのか分からない 

という状態で提出している事業所も多いのが実情です。

グレーアウトの落とし穴

ただしここで重要なのは、「入力できない=対応不要」ではないという点です。

令和7年度に補助金を申請した場合、処遇改善加算における職場環境等要件については、
R7年度中の達成が一時的に猶予されています。

ただし、何もしなくてよいわけではなく、補助金の支給要件として次のような取組が求められています。


  • 業務内容の明確化や役割分担
  • 業務の洗い出しや課題の見える化
  • 業務改善体制の構築


このうち1つ以上を年度内に実施する必要があります。

つまり、「処遇改善の要件が不要」ではなく、「補助金の要件で代替されている」ということになります。

実際の相談でも、「職場環境要件はグレーアウトされていたので何もしていない」、というケースは少なくありません。

この状態のまま進めてしまうと、後の実地指導や加算区分の見直しの場面で整備状況の説明に困る可能性があります。

R8年度の「14項目できない問題」との関係

そして、これが令和8年度の「14項目も対応できないのではないか」という相談につながります。

本来は、令和7年度中に必要な取組を実施しているという前提で、令和8年度の要件に対応していく、という流れになります。

令和8年度は、本来の職場環境等要件(例:加算Ⅰ・Ⅱでは13項目、Ⅲ・Ⅳでは7項目)を満たした上で、補助金を申請する場合はさらに1項目以上の追加が求められます。

しかし、


R7年度の段階で整理されていない

R8年度になって初めて負担感が出る
という状態になっているケースが多く見られます。

実務上の整理(ここが重要)

整理すると、次のような流れになります。

・R7年度補助金を申請した事業所

 →  補助金の要件に基づく取組を年度内に実施

・R8年度補助金を申請する事業所

 →  本来の職場環境等要件+1項目以上の追加で申請

つまり、R7年度の取組が前提になっているという点がポイントです。

まとめ

令和7年度の補助金を申請した事業所では、

  • 職場環境等要件に相当する取組が実施されているか
  • それを説明できる状態になっているか(書類の整備等)

を一度整理しておくことが重要です。

特に、「グレーアウトされていた=未対応の可能性がある」、という前提で確認しておくと安心です。その上で、令和8年度の対応を検討すると、無理のない形で制度に対応できます。

制度は毎年のように変更されるため、「去年のやり方のまま」で進めてしまうと、思わぬ落とし穴に気づくことがあります。

特に今回のように、年度をまたいで影響する制度については、早めの整理が重要です。

今年度の処遇改善計画書の提出は4月15日となっております。

まだ様式は発表されておりませんが、今のうちに職場環境要件の取組等を確認されることをお勧めいたします。

判断に迷う場合は、個別の状況に応じて整理が必要になります。
ご不安な場合は、お気軽にご相談ください。